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帯状疱疹について


最近、帯状疱疹の方が増えていてもう一度調べてみたいと思います。

<概要>
帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、水ぼうそうを起こす原因ウイルスと同じ水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスによって起こる病気です。

 実は、体の神経節(しんけいせつ:神経の細胞が集まった部分)に隠れて、復活の機会を狙い、長い場合は何十年も潜伏し続けます。そして免疫力が低下したときにウイルスが復活します。
 免疫力が低下する原因には、過労やケガ、大きなストレス、病気、手術、免疫抑制薬の使用、高齢化などがあります。 免疫力の低下によって復活したウイルスは、神経節から出て活動を再開し、皮膚に帯状の水ぶくれをつくります。この帯状の症状から「帯状疱疹」といわれます。

<症状>
症状は、皮膚にチクチクするような痛みが起こることから始まります。
 次に、痛みを感じた場所にブツブツとした赤い発疹ができ、小さな水ぶくれとなって帯状に広がります。この症状は、特に胸から背中、腹部などによくみられます。他には顔や手、足にも現れます。
 さらに、症状が現れるのは体の左右どちらか片側だけであり、一度に2ヵ所以上の場所に現れることはほとんどありません。

 皮膚症状は、水ぶくれからかさぶたになっておさまります。痛みが起こり始めてからかさぶたが治るまで、約3週間から1ヵ月かかり、多くの場合、強い痛みを伴います。
 痛みは、刺すような鋭い痛みから始まり、しだいに衣類と触れるようなわずかな刺激にも、ピリピリと痛みを感じるようになる場合もあります。
 ほとんどの場合、皮膚症状の消失と共に痛みも無くなります。

<しかし、人によっては…>
皮膚症状が回復しても痛みだけが残り、いつまでも続く場合があります。これを「帯状疱疹後神経痛」といいます。
 若い人の場合は、ウイルスによって破壊された神経の回復は良好ですが、高齢者では回復が困難で、帯状疱疹後神経痛が残りやすいといわれます。


<内服>
原因になるウイルスに対しては抗ウイルス薬を使用し、痛みに対しては消炎鎮痛薬を用います。
 また、水疱がつぶれて細菌感染した場合は、抗菌薬を使用します。

 抗ウイルス薬は、ウイルスの増殖を抑制し、病気の期間を短縮します。できるだけ早期から抗ウイルス薬を使うことで症状の悪化を防ぎ、皮膚や神経のダメージを軽くする効果が期待できます。
 抗ウイルス薬として塩酸バラシクロビル、アシクロビル、ファムシクロビルなどが使われます。

 痛みを我慢すると、痛みに対して敏感になり、普通は痛みとして感じない程度の刺激に対しても、過敏に反応して、治りにくい痛みになってしまいます。
 我慢しないで、どんな痛みなのか医師に詳しく説明し、痛みの程度と種類に応じた消炎鎮痛薬による治療を受けるようにします。

<それでもだめなら…>
帯状疱疹の皮膚症状が消えた後に、その部分の神経に起こる慢性的な痛みを「帯状疱疹後神経痛」といいます。
 この痛みは、絶え間なく続く場合もあれば、あいだが空くこともあります。夜間に悪化する場合や、寒暖の差でひどくなることもあります。ひどくなると、痛みで他のことが手につかなくなることもあります。
 できるだけ早く治療して痛みが記憶として残らないようにすることがポイントです。
 決め手となる治療法は確立していませんが、麻酔科にペインクリニックを併設している病院で、神経ブロックを受けると効果のある場合が多いといわれています。
 神経ブロックは、痛みの原因となる神経を麻酔で鎮静する治療法です。
by kentarou591124 | 2013-02-03 17:39 | 文献・自己学習


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