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大腿骨頸部骨折 理学療法

大腿骨頚部転子部骨折に対する最新の整形外科的治療.理学療法.29巻6号.2012年6月

大腿骨頚部は、関節内骨折のため関節液が骨折部に流入することや、外骨膜を欠くこと、骨折部に剪断力が働きやすいことから骨癒合が得られにくい

そのため手術が不可能出ない限り保存的治療は推奨されない

頚部骨折でも歩行可能な例などでは保存療法による骨癒合も期待できる。転位の少ない大転子部の単独骨折については骨接合術を行わなくても早期歩行が可能であり、保存療法の適応である。

非転位型の場合は骨接合術、転位型の場合は高齢者であれば人工物置換術(人工骨頭置換術または人工股関節全置換術)が診療ガイドラインでも推奨されているため、対象者の全身状態や年齢を考慮すべきで、
また術後半年から2年では外傷性大腿骨骨頭壊死によるLSC に注意する必要があります。

人工物置換術について、術後の脱臼が重要な合併症になるが近年では骨頭大径化や進入方向の工夫による脱臼対策もみられる。
仰臥位や側臥位での前方ないし前側方進入などの筋間進入法では、後側方進入と異なり後方関節包や短外旋筋群を温存できるため、術後の屈曲内旋禁止といった姿勢指導の必要性が低い

近年"非定型大腿骨骨折"という転子下から顆上部にかけての骨折であるが、非外傷性ないしは軽微な外傷により同部に横骨折あるいは短斜骨折を生じる骨折である
ビスフォネート製剤長期服用による過度の骨代謝回転抑制が関連因子といわれており、今後も増加する可能性は高い

術後の炎症評価
まず炎症の5兆候
①発熱
②熱感
③腫脹
④疼痛
⑤機能障害
があり、他に白血球数、C反応性蛋白(CRP)をチェックしながら把握する必要がある。

深部静脈血栓症(DVT)の評価
誘発因子は①血流のうっ滯②静脈壁の損傷③凝固能亢進が重要である。
DVT は発熱、熱感、疼痛、圧痛、浮腫、しびれ、重力感などの症状があり、
上記の症状は完全閉塞の時におこり、不完全閉塞では無症候性のことが多い。

近年再骨折の予防のため、骨粗鬆症の評価は重要であり近年は骨密度測定器を用いて骨密度や、骨塩量の測定ができるため、再発予防の助けになっている


他に腓骨神経麻痺や感染にも対応が必要です
by kentarou591124 | 2012-11-11 16:47 | 文献・自己学習


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