臨床栄養での大切な原則として、
「腸管を使用できるときは腸管を使用する」 があります。 なので、経管栄養で下痢や胃食道逆流を認めても安易に選択してはならない。 あくまで経管栄養が不可能もしくは極めて困難な場合のみ、中心静脈栄養を選択する。 中心静脈栄養ではカテーテル感染、bacterial- translocation、高血糖・低血糖等重篤な合併症が発生しやすく、経管栄養より感染率や死亡率が高い。 在宅での手技も経管栄養より中心静脈栄養のほうが難しく、退院前に本人や家族へ十分な指導を要する。 退院後も1~2週間に一回は医師の診察が必要であり、訪問看護も必須である。 栄養状態だけでなく合併症のモニタリングもあわせて必要です。 ≪適応≫ 在宅中心静脈栄養の適応は、進行ガン、短腸症候群、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)、慢性偽性腸閉塞(腸管通過障害がないのに…慢性的な腹痛、腹部膨満、おう気・おう吐がある病態)、その他中心静脈栄養以外に栄養投与方法のない種々の疾患・病態である。 ≪注意点≫ 中心静脈栄養では、高カロリー輸液用糖・アミノ酸・電解質には禁忌が少なくなく、 必須脂肪酸欠乏の予防が必要です(週一回脂肪乳剤の使用)。、 また、必ず高カロリー輸液用総合ビタミン剤と微量元素製剤を使用する。 ≪合併症≫ カテーテル感染による障害では、カテーテルを抜去しない限り症状の改善が見られないため躊躇なく抜去することが重要です。
by kentarou591124
| 2012-01-15 21:50
| 文献・自己学習
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