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筋スパズムと筋硬結について



参考文献
シリーズ編集黒田幸雄他 責任編集篠原英記他.理学療法MOOK5 物理療法.第1版.三輪書店.2004年6月


腰や肩はよく”コリ”ができることがありますが、肩甲骨の周囲や背部筋には筋硬結や筋スパズムなどが見られやすいことが多いです。
今回は、筋硬結や筋スパズムについて紹介していきます。

まずは用語の解説から

〈筋スパズム〉
手術後の術創周囲組織や陳旧性の軟部組織損傷など、急性期と慢性期ともに認められる筋の病変である。

〈筋硬結〉
筋硬結筋部は圧刺激を与えることで圧痛が出現するため、通常は圧痛点と考えられる。
2つに分類されると
①血流障害や交感神経系の緊張が加わり関連痛や副交感神経現象を引き起こす潜在期筋硬結や、
②自発性関連痛や交感神経緊張現象を特徴とする活動期筋硬結が形成される



つづいて詳細について



〈筋スパズムの詳細〉

一次的外傷性損傷
a.筋、結合組織の損傷
組織中に放出された侵害性物質は、侵害受容組織の自由神経終末を刺激し疼痛を引き起こす。
b.血管の損傷
セロトニンは血管れん縮により血流を低下させ、血液が凝固するまで出血を抑えるが、発痛物質として侵害受容線維を興奮させる。
c.神経の損傷
神経が損傷されると、アドレナリンの感受性が高まり疼痛が発生する。また、交感神経の求心性線維より放出されるノルエピネフリンにより損傷部が刺激される。

二次的外傷性損傷
a.二次的酵素性損傷
損傷を受けた細胞は白血球により貧食され、損傷細胞に隣接する正常細胞の細胞膜を破壊し、損傷部位を拡大させる。
b.二次的低酸素障害
血流低下は、損傷細胞周囲における正常細胞の酸素不足を起こす。
炎症反応により放出された侵害性物質は侵害受容器をさらに刺激し、疼痛を増悪させる。






<筋スパズムにおける物理療法>
・加温効果
血管拡張と代謝促進による骨格筋内の発痛物質除去
神経終末の閾値上昇
脊髄後角侵害受容器ニューロンの興奮性低下
脊髄反射抑制作用
がある。

・冷却効果
代謝活動の低下に伴う発痛物質の産生抑制
神経伝達速度減少作用
がある。

加温効果と冷却効果それぞれの効果が筋スパズムを軽減させる。


<筋硬結の発生機序>
筋の収縮にはアクチンフィラメントとミオシンフィラメントが滑りこむことで出現する。
このアクチンフィラメントとミオシンフィラメントが癒着を起こすことによって局所循環障害は酸素欠乏と栄養低下によるエネルギー欠乏を招きさらに癒着が持続して筋硬結が形成される。




<筋硬結における物理療法>
筋硬結を改善するにはアクチンとミオシンの癒着を解除する必要がある。
①物理的な伸張
②血流改善によるATP産生促進
③局所の発痛物質除去
④栄養を送り筋小胞体を修復
⑤代謝低下による発痛物質の産生抑制
⑥痛覚線維の興奮性抑制
温熱療法は主として②~④に働き、寒冷療法は⑤、⑥に作用する。

※物理療法と運動療法を併用すべきか
関節拘縮を認める場合、筋スパズム・筋硬結ともにコラーゲン線維の伸張性を低下させる冷却療法として適さない。
コラーゲン線維の伸張性を増加させる温熱療法が適切である。




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by kentarou591124 | 2010-10-15 17:38 | 文献・自己学習


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