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大腿骨頸部骨折について


先週から先輩PTの養成校の学生が実習に来ています。

その際に実習のときの資料を見返す機会があり、私が実習をしているときに使っていた資料が見つかった。

それが
大腿骨頸部骨折の資料でした。

転倒による骨折として、腰椎圧迫骨折とならんで頻度の高い骨折の1つです。

実習に行った時はよく担当することが多い疾患の1つかと思います。

私は大腿骨頸部骨折後のCompression Hip Screwの手術を見学させていただき、気持ち悪くなって全部見学しできなかった、なんてこともありました。(CHSについては後で詳しく)

今日は久しぶりに大腿骨頸部骨折について考えていきたいと思う。

大腿骨頸部骨折には内側骨折と外側骨折があります。
内側骨折には、
①骨頭下骨折
②中間部骨折
③基部骨折の3種類があり、
外側骨折には、
①転子間骨折
②転子部骨折
③転子下骨折の3種類があります。
※内側および外側骨折は関節包の境界にて分類されています。




<大腿骨内側骨折>
Garden分類のStageに基づく。
StageⅠは保存療法
StageⅡ~Ⅳは人工骨頭置換術
が選択される。
関節包内骨折。最も骨癒合しにくい骨折。


・内側骨折のGarden分類
StageⅠ:転位なし。内側骨梁構造は180度以上
StageⅡ:転位なし。内側骨梁構造は160度以上
StageⅢ:軽度の転位あり
StageⅣ:完全な転位あり


<大腿骨外側骨折>
Jensen分類のTypeⅠ~Ⅴに分けられる。
いずれも骨接合術、主にCompression Hip Screwかエンダー釘の適応となる。
受傷者がより高齢になるため、全身合併症が多く、早期離床・早期日常生活復帰を得られる点から治療の難しい骨折。





<老年者の大腿骨頸部骨折治療のフローチャート>
東京都老人医療センターより、

65歳以上の大腿骨頸部骨折の場合
内側骨折以外なら…骨接合術

内側骨折で…
ケース①術前は歩行不能であれば…保存療法か骨頭切除術

内側骨折で術前に歩行している方は…
ケース①全身合併症が重度…保存療法
ケース②全身合併症が中等度…人工骨頭置換術

内側骨折で術前に歩行しており、全身合併症がない方…
ケース①70歳以上では人工骨頭置換術
ケース②70歳以下では骨接合術

以下、図を参照…



<手術方法と術後理学療法プログラム>※昔のデータです。ご注意を!

経皮的海綿骨螺子固定術(Cannulated Cancellous Hip Screw : CCHS)

利点:
手術侵襲が小さい
経皮挿入のため感染の危険性が小さい
出血量がすくない。
手術時間が短い。

欠点:
Garden分類のStageⅠ、Ⅱに適応

手術手技:
骨折部は展開せずに、スクリューが挿入できる程度の小切開3か所を用いてCCHS3本で固定

合併症:
骨頭壊死

理学療法プログラム:
手術翌日はベッドサイド(廃用症候群、深部静脈血栓症予防)
2日目から部分荷重にて端座位や車椅子移乗を行う
1週から全荷重可(固定性がえられていること、痛みに配慮)
3週で退院


Gamma nail 法
Slidein lag srcrew と髄内釘を組み合わせた内固定材料

利点:
Jensenの分類Ⅰ~Ⅴ型に対し、良好な固定を得ることが可能
強固な固定力、早期荷重が可能
閉鎖的手段により良好な骨癒合をもたらす
骨折部周囲組織の損傷を最小限にとどめ、骨癒合や感染防止に有利
横止めScrewにより回旋安定性の増大

欠点:
Sliding lag screw の位置不良による内反変形、カットアウト
遠位横止めScrewによる大腿骨骨幹部骨折

手術手技:
大腿骨大転子先端から近位方向に切開を加え、筋膜切開、臀筋を鈍的に分け大転子に達する。
セットスクリュー挿入後、遠位横止めスクリューを1本挿入

合併症:
内反変形
骨頭回旋
大腿骨骨折
深部静脈血栓
術後感染

理学療法プログラム:
手術翌日は斜面台での立位訓練
2日目から全荷重可(固定性がえられていること、痛みに配慮)
状態に合わせて、平行棒内歩行→歩行器歩行→4脚杖歩行→T字杖歩行
2~3Wで退院


Compression Hip Screw(CHS)

利点:
骨粗しょう症が存在しても、比較的強固に固定できる。

欠点:
Lag Screwの骨頭内で位置不良による内反変形やカットアウト
骨粗しょう症の方ではプレートの脱転やプレート端での骨折などがある。

手術手技:
太い経のLag Screwを骨頭へ挿入する。
Sliding Mechanismにより骨折部のImpactionがおこり骨癒合が促進される。

合併症:
内反変形
大腿骨骨折

理学療法プログラム:
手術翌日には斜面台による立位トレーニング
2日目から全荷重許可
同時に平行棒内歩行を開始する。
約3週で退院


人工骨頭置換術

大腿骨頭部のみを置換し、寛骨臼側は置換を行わず、既存の臼蓋軟骨と人工骨頭が接触するタイプである。

利点(骨接合術との違いとして):
痛みがない範囲で荷重許可し、
術後2日目より痛みがない範囲で可能な限り荷重を許可している。

欠点(骨接合術との違いとして):
ROM時に股関節屈曲・内転・内旋位の脱臼肢位(特に手術所見に脱臼肢位の角度記載がある場合)に留意する必要あり
術前にも脱臼肢位についての説明を行い、日常生活上もこれらの肢位をできるだけ避けるように指導する。

合併症:
脱臼のリスクに注意する

理学療法プログラム:
術後翌日は病棟にて深部静脈血栓症予防する。
術後2日目からリハ開始
リハ初日はベッドサイドからスタートし、介助下でも車椅子乗車可となれば翌日よりリハ室へ
荷重量は痛みに応じる。リハ初日でも痛みの許す範囲で全荷重可


人工股関節置換術
手術適応は少ないが、
内側骨折の陳旧例
骨接合例のSCREWのカットアウト例(臼蓋側にも骨の脆弱性や変性、損傷などがある場合に選択される。)

適応は、生命予後が10年以上で、受傷前に杖なし歩行で日常の外出が可能な活動性の高い症例である。

合併症:
人工骨頭置換術より脱臼を起こすリスクが高いため、脱臼肢位の指導は注意する。



以上が、大腿骨頸部骨折についてです。

理学療法プログラムはあくまで目安であり、
認知症がある方
合併症のある方
高齢者
術前歩行レベルの低い方
骨折型の程度が重い
などの要素が回復を阻害するといわれます。

個人の回復状況に合わせて治療を進めていくことが必要だとも感じました。


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by kentarou591124 | 2010-06-12 19:57 | 文献・自己学習


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