Pusher症候群について 参考文献:藤田勉編集.脳卒中最前線.医歯薬出版.第3版.pp142 生田宗博著.片麻痺 能力回復と自立達成の技術.三輪書店.2008.pp10-44 概要:体軸性症候群の1つ。原因は頭頂葉損傷によって固有感覚情報、迷路情報、視覚情報の統合がくずれ身体の位置関係を修正することの過不足によるものと推測される。 特徴:左片麻痺に多く出現し半側空間無視を伴い、立位時に麻痺側に重心が偏り体幹が非麻痺側に傾斜するなどで非麻痺側短縮が見られている。歩行時は非麻痺側への体重移動が困難で麻痺側下肢の振り出しができない。 プッシャー症候群の発症原因(図1) 脳卒中片麻痺により一方が麻痺し、運動・感覚の機能が低下した状態で左右の足に均等に体重を乗せた状態を作ろうとします。麻痺側は感覚が低下しているためより強く感覚入力するように体が反応し、その結果麻痺側へ体を傾斜するという反応がおこる 麻痺側へ体を傾斜させることで患者は正中位の姿勢がとれたと脳内で判断します。そこへセラピストが非麻痺側へ体を押して体の傾斜を修正しようとすると、患者にとっては正中位の姿勢が崩されたと判断してしまいセラピストが押した方向へ押し返す動作が出現する。 治療プログラムの考え方 プッシャー症候群の反応は左右の均衡を保つための正常な脳による反応であると考え、正常な反応が現状に適して働くようにセットを更新することが必要となる。 強制的に左右の均衡をとらせると危険回避のためプッシャー症状が強く出現するため、当たり前の動作をする中で自然に非麻痺側へ体重を偏位させて重心を保持する動作が自動的に作用するようにアプローチすることが必要である。
by kentarou591124
| 2009-05-16 04:07
| 文献・自己学習
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